日程:2026年3月8日(日)9:00〜14:00
場所:皆生温泉 四条通り
入場無料
※天候等によりプログラムや会場は変更の可能性があります。
春の入り口。
まだ少し冷たい空気の中で、温かい食べものと、新しい出会い。
皆生温泉の通りを、ぐるぐる歩く日曜日。
その足音が、きっとまちの未来を少しだけ変えていきます。
米子市観光センターの一角にある、小さな本棚。
それが「カイケノマド」です。
本棚のオーナーがそれぞれ好きな本を持ち寄り、
訪れた人が自由に本を手に取れる場所。
図書館でもなく、カフェでもない。
でも、本をきっかけに人が出会う場所です。
そんなカイケノマドのこれからを考えるため、
本棚オーナーの皆さんと一緒に作戦会議を行いました。
そこで見えてきたのは、
この場所の可能性と、これからのアイデア。
そして何より、
「もう一度、この場所を面白くしよう」
そんな空気でした。
話し合いの中でまず出てきたのは、カイケノマドの現状についてでした。
「まだまだ知られていないよね」
観光センターの中にあるため、存在自体に気づいていない人も多いそうです。
さらに、
・入っていいのか分からない
・いつ開いているのか分からない
・どんな人が関わっているのか見えない
そんな声もありました。
あるオーナーは、こんな話をしてくれました。
わかりやすく案内できる看板を設置できないのか?
観光センターの出入り口やバスの待合所などに。
飲食店の入口にある赤いマット。
あれがあるだけで、人は「ここから入る場所だ」と自然に感じるそうだよと。
つまりカイケノマドにも、
「ここに入っていいんだよ」
と伝わるサインや仕掛けが必要なのかもしれません。
カイケノマドは本棚のある場所ですが、実際の使い方は人それぞれです。
本を借りる人もいれば、勉強しに来る中高生もいます。
ただ、話し合いの中ではこんな意見も出ました。
「人が来る理由があるといいよね」
例えば、
・音楽
・交流会
・小さなイベント
・ワークショップ
そんなアイデアです。
「ギター弾いてる人がいたら、人って寄ってきますよね」
という声もありました。
町のどこかで音楽が鳴っていたら、つい足を止めてしまう。
カイケノマドも、そんな場所になるかもしれません。
今回の作戦会議で、ひとつ面白いアイデアが生まれました。
それが
「月替わり館長」
という仕組みです。
本棚オーナーの中から毎月ひとりが「館長」を担当。
館長は、
・本のセレクト
・本棚のレイアウト
・交流会
・小さなイベント
などを自由に考えます。
さらに、
館長には月1万円の本の購入予算
という案も。
「今月の館長おすすめ本」
そんな棚ができたら、カイケノマドの本棚はどんどん変化していきそうです。
会議では、ワークショップのアイデアも出ました。
例えば、
・シールづくり
・レジン作品
・クラフト体験
海で拾った貝をレジンに入れて作品を作るのも面白そうです。
本を読む場所から、
つくる場所へ。
そんな可能性も見えてきました。
話し合いの中で印象的だったのは、こんな言葉でした。
「まずはオーナーが楽しむこと」
本の話をする。
好きなものを紹介する。
イベントを企画してみる。
そんな時間が増えるほど、この場所は面白くなるはずです。
そして、楽しそうな場所には、自然と人が集まります。
カイケノマドはまだ小さな場所です。
でも、
本が好きな人
ふらっと立ち寄る人
誰かと話したい人
そんな人たちが、自然に集まる場所になるかもしれません。
今回の作戦会議は、その未来を考える時間でした。
小さな本棚から、どんな景色が生まれるのか。
カイケノマドは、これから少しずつ動き出します。
カイケノマドには、たくさんの本があります。
でも、並んでいるのはただの本ではありません。
その本を選んだ“人”がいます。
ある人は小説を並べ、
ある人は歴史の本を置き、
ある人は子どもの絵本を置く。
本棚を見ていると、
その人の好きなものや
興味のあることが、少しずつ見えてきます。
つまりカイケノマドは、
本の棚でありながら、人の棚でもある。
そんな場所なのかもしれません。
だからこそ、ここに来ると
「この本、好きなんですか?」
「それ面白いですよね」
そんな会話が自然に生まれます。
本があることで、
人と人の距離が少し近くなる。
カイケノマドは、そんな小さな場所です。
これから、月替わり館長やイベントなど、新しい試みが少しずつ始まるかもしれません。
そのとき本棚には、また新しい本が並びます。
そしてその本の向こうには、また新しい人がいる。
小さな本棚から、どんな出会いが生まれるのか。
カイケノマドは、これから少しずつ変わっていきます。
鳥取県米子市の皆生温泉で、心もお腹も満たされる特別なイベント「ぐるぐるかいけ」を開催します!
2026年3月7日(土)と8日(日)の2日間、会場を移しながら、地元の美味しいグルメ、素敵なハンドメイド雑貨、体験ワークショップなど、多彩なショップが皆生温泉に集結します。
温泉街の歴史を感じる松林や、普段とは違う表情の通りを歩きながら、新しい皆生の魅力を「ぐるぐる」と巡ってみませんか?
会場: 皆生温泉の松林
100年前の景色を今に伝える、趣ある松林。
夕暮れ時の幻想的な雰囲気の中、「たき火コーナー」も登場予定!温かい火を囲んでゆったりとした時間をお過ごしください。
会場: 四条通り
通り沿いの空き地や駐車場が、この日だけの特別なマーケットに。
日曜の朝、心地よい潮風を感じながら温泉街の散策を楽しめます。
★ 入場無料! ※天候等により、内容や会場が変更になる場合があります。
美味しいものからワクワクするワークショップまで、こだわりの出店者が勢ぞろい!(※順不同)
おむすび屋ひとむすび(おむすび)
comedor(タコス)
食堂ichiba(スープ・焼きおにぎり他 ※7日のみ)
たくモクレン・マホラ亭(ルーローハン・カレー)
mahalo(マフィン)
nuage(焼き菓子 ※7日のみ)
ジェラテリア pa cherry b.(ジェラート)
國吉農園(野菜・お弁当 ※8日のみ)
やまねの塒(小道具・マフィン ※8日のみ)
竹部酒店(地酒)
BEER CRUISER(クラフトビール)
癒しのハーブ専門店 Kahakai(ハーブティー)
らんぷSOUQ Kanz(ランタン)
#みんなももこになる似顔絵屋(似顔絵 ※7日のみ)
issing(こいのぼりづくりワークショップ)
lumiere candle(キャンドル)
hamaco.(オリジナルアクセサリー)
ひつじのお店(モールドールワークショップ ※8日のみ)
tocco米子(特定小型原付の試乗 ※8日のみ)
皆生温泉旅館の蚤の市(※8日のみ)
お出かけ前に会場をチェック!
晴れたらポカポカ温かく、もし曇って少し寒くても、皆の熱気で楽しい時間になること間違いなし! ご家族、お友達、大切な人と一緒に、ぜひ「ぐるぐるかいけ」へ遊びに来てください!
皆さまのお越しをお待ちしております!

ぐるぐるかいけへお車でお越しの方へ。
ぐるぐるかいけでは、臨時駐車場は用意していません。
その代わりに、皆生温泉エリア全体で取り組んでいる“駐車場シェア”があります。
それが
▶︎ どこでもスマート駐車場「akippa」
https://www.akippa.com/
皆生温泉には、普段は使われていない駐車場や、時間帯によって空いているスペースがたくさんあります。
「あるのに、使われていない。」
この“もったいない”を活かす取り組みとして、旅館・ホテル・商店などが協力し、akippaに登録しています。
スマホから事前予約が可能。
場所も時間も、あらかじめ確保できるので安心です。
ぐるぐるかいけは、まち全体でつくるイベント。
駐車場も、イベントの一部です。
事前にakippaアプリをダウンロードし、予約のうえご来場ください。
違法駐車は絶対におやめください。
予約制「akippa」で当日スムーズ
皆生温泉周辺で利用できる駐車場

駐車場を選ぶ
目的地の近くから検索

予約&オンライン決済
※一部、現地決済の駐車場あり

駐車場に入出庫
当日は案内に沿って利用
駐車場を探す/予約
https://www.akippa.com/others/tottori/523087
※予約制/事前決済が基本(駐車場により異なる場合があります)
2026年3月8日(日)9:00〜14:00。
会場は、皆生温泉の四条通り。
今回の会場は「歩行者天国」ではありません。
通りそのものを閉鎖するのではなく、沿道の空き地や駐車場を活用して、点と点をつなぐように開催されます。
だからこそ面白い。
歩きながら、曲がり角でふと立ち止まりながら、気になる匂いに引き寄せられながら、ぐるぐると巡る。
“イベントに行く”というより、
“まちを歩いていたら楽しいことが始まっていた”という感覚に近い一日です。

家族で楽しめる体験も
今回はお子さま向けのワークショップも充実。
こいのぼりづくりやモールドール体験、キャンドルづくりなど、
手を動かしながら夢中になれる時間が待っています。
そして注目なのが、「免許のいらない原付」の試乗会。
特定小型原付の新しい移動体験は、これからのまちの風景をちょっと先取りするような感覚。
移動の未来を、ほんの少し体験できる機会です。
子どもから大人まで、
“見るだけ”では終わらないのが今回のぐるぐるかいけ。
朝ごはんから、ゆったり昼ごはん、ちょっとしたおやつまで楽しめます。
●おむすび屋ひとむすび(おむすび)
@omusubiya.hitomusubi
●comedor(タコス)
@comedor_yui_mar_
●たくモクレン・マホラ亭(ルーローハン・カレーなど)
@taku_mokuren @mahoratei
●mahalo(マフィン)
@mahalo_321y
●ジェラテリア pa cherry b.(ジェラート)
@pacherryb
●國吉農園(野菜、お弁当)
@kuniyoshinouen
●竹部酒店(地酒など)
●BEER CRUISER(クラフトビール)
@beer_cruiser_base
癒しのハーブ専門店 Kahakai(ハーブティー)
@kahakai819
●らんぷSOUQ Kanz(ランタン)
@lampkanz
●やまねの塒(小道具、マフィン)
@yamanenonegura
●issing(こいのぼりづくりワークショップ)
@issing_issing
●lumiere candle(キャンドル)
@lumiere.candlea
●hamaco.(オリジナルアクセサリー)
@hamaco.0127
●ひつじのお店(モールドールワークショップ)
@sleepsheep.54
●tocco米子(特定小型原付の試乗)
@tocco.yonago.sakaiminato
●皆生温泉旅館の蚤の市
2026年3月7日(土)14:00〜19:00。
ぐるぐるかいけのDAY1は、皆生温泉の松林が会場です。
ここは、皆生温泉街ができる前の景色を今に残す場所。
高く伸びる松、やわらかい砂地、海からの風。
観光地になる前の“素の皆生”が、静かに息をしている空間です。
100年前と大きく変わらないこの松林に、
この日だけ、食と灯りと人のぬくもりが集まります。

たき火と、お芋と、ちょっと寄り道
会場には、たき火コーナーも登場予定。
ぱちぱちと燃える音をBGMに、お芋片手にのんびり過ごす時間。
便利でも派手でもないけれど、
火を囲むと人は自然と会話をはじめる。
それは人類が何万年も続けてきた行為だから、たぶん本能に近い。
「とりあえず、やってみよ」から始まった本棚オーナー
河田さんがカイケノマドを知ったのは、たまたまネットで見かけたのがきっかけでした。
最初から細かいコンセプトを理解していたわけではなく、「ゆるく関われそう」「本を使って何かできるって素敵だな」という、直感に近い感覚で参加を決めたといいます。
「“本が好きだから”というより、“本を通して何か生まれたらいいな”という気持ちでした。まずはスタートしてみよう、って」
振り返ると、その“まずやってみる”という姿勢が、とても大切だったと話してくれました。

本は、人生のフェーズを映す鏡
河田さんの本棚には、料理、発酵、暮らし、写真多めでさくっと読める本、そして地元の気配を感じる一冊まで、幅広いジャンルが並びます。
正社員として働いていた頃は、仕事に直結するスキルアップ本やマーケティング関連の書籍を中心に読んでいました。
その後、転職。環境が変われば、読む本も変わる。
そして今は、時間のゆとりや本棚の入れ替えをきっかけに、また違う本と向き合っています。
「自分の立場によって、読む本は変わりますよね」
本棚に並ぶ一冊一冊は、過去の自分との対話でもあります。
実は、家の本を整理しようとしていたタイミングで本棚オーナーの存在を知ったそうです。読んでいない本、好きだった本をいったんここに持ってきてから手放そうと思っていた。けれど、不思議と“本に関わる出来事”が起きて、なかなか手放せない。
まるで本のほうが、「まだここにいるよ」と語りかけているかのようです。
ガッツリ読まなくていい。本との距離は人それぞれ
河田さんが意識しているのは、「10分〜20分でも読める本」があること。
「立ち寄って、パラパラ見て、“なるほど”って思えるくらいの距離感がいいなって」
写真が多く、文字量が重すぎない本。
ちょっとした待ち時間や、バスの合間にふらっと入って読めるボリューム感。
“ちゃんと読まなきゃ”ではなく、“触れてみる”くらいでいい。
その軽やかさが、河田さんの棚の大きな魅力です。

店番をして気づいた、人とのつながり
本棚オーナーになって変わったことを聞くと、河田さんはこう話します。
「自分にも“店番”ができるんだって思えたこと。それと、いろんな人と自然に話せるようになったことですね」
バス待ちの人、たまたま立ち寄った人、イベント帰りの人。
本の話をしない日も多く、雑談がそのまま心地よい時間になることもあります。
「井戸端会議みたいな感じです(笑)」
本を介して生まれる、肩の力が抜けたコミュニケーション。
それが、カイケノマドらしい時間の流れをつくっています。
本を通して、オーナー同士も“間接的につながる”
他の本棚オーナーさんと、頻繁に顔を合わせるわけではありません。
それでも棚を見れば、「この人は、こういう本を読むんだな」と自然と伝わってくる。
直接会わなくても、本を通じて価値観や興味が行き交う。
そこに、この場所ならではの面白さがあります。
「小さなつながりでいいと思うんです。
何十人、何百人じゃなくて、少しずつ」
他の方の本棚にあったテーマと、自分の本棚の一冊が響き合う。
ある本で興味を持った人が、別の棚へ足を運ぶ。
本棚はそれぞれ独立しているようで、
実は静かに、ゆるやかにつながっているのです。
言葉にしづらいけれど、確かにある魅力
「カイケノマドって何?」と聞かれると、正直うまく説明できない、と河田さん。
図書館でもない。
カフェでもない。
レンタルスペースとも少し違う。
だからこそ、実際に来て、本棚オーナーと話してみるのが一番早いのかもしれません。
「地味に、ちょこちょこ。来てくれた人に“こういう場所ですよ”って伝えていけたら」
強くすすめる場所ではない。
でも、ふと立ち寄った人の心に、静かに残る場所。
“とりあえずやってみる”が、世界を少し広げる
河田さんは最後に、こんなことを話してくれました。
「やってみたから、見えた課題もあったし、できることも分かってきた。
来年はまた違う形が生まれるかもしれませんね」
本棚から始まった小さな一歩。
それは確実に、河田さん自身の世界と、人との縁を広げています。
本を読まなくてもいい。借りなくてもいい。
“ちょっと寄ってみる”だけで、何かが動き出す場所として。
案外こういうところから、じわっと変わるんですよ、と。

小さな本棚から始まる、小さな出会い。
ページをめくる音と、たわいない会話と、ふと重なる誰かの気配。
ここでは、本は“読むもの”であると同時に、人と人をそっとつなぐ場所でもあります。
河田さんの「とりあえずやってみる」という一歩がつくったのは、大きな仕組みではなく、続いていく日常の風景。
今日もカイケノマドは、静かに開かれています。
本を読まなくてもいい。借りなくてもいい。
ただ立ち寄るだけで、小さな変化が芽吹くかもしれません。
そんな場所が、まちにひとつある。
それだけで、少しやさしくなる気がします。
2023年9月のインタビューから約2年半。 あれからの「松濤園」について、支配人の福留さんを再び訪ね、その後の歩みを伺いました。
当時は「わんちゃんと泊まる温泉宿」としてフルリニューアルを決断し、まさに変革の真っ只中にあった松濤園。
観光の賑わいが以前のようには「戻り切れていない現状」。 そんな苦しい状況を打破するために踏み切った、「犬と一緒じゃなきゃ泊まれない」という大胆なスタイルへの変更は、コロナ禍で急変した温泉街に新しい風を吹き込もうとする、未来への挑戦でもありました。
オープン当初は、決して順風満帆ではなかったそうです。
従来の一般的な宿から、“犬と泊まらなければ泊まれない宿”への転換。
客層は一変し、最初は集客にも苦労しました。
けれど少しずつ風向きは変わっていきます。
「昨年あたりから、本当にたくさんのお客様に来ていただけるようになりました」
福留支配人は、そう穏やかに語ります。
以前は関西圏が中心だった客層は、今や関東、北海道、沖縄からも訪れるお客さまが増え、
いまでは全国の愛犬家が「次はここへ行こう」と旅の候補に入れる宿へ。
車移動が基本になる、わんちゃん連れの旅。
それでも距離を越えて人が集まるのは、“食事も、寝る時も、片時も離れず一緒にいたい”。
そんな飼い主さんの深い愛情に、宿の在り方がまっすぐ応えてきたからです。

そして、もうひとつは、SNSと広告を「自分たちの手で」運用し始めたことでした。
福留支配人自身も、家では中型犬2頭と暮らす飼い主のひとりです。
「私も家で中型犬2頭と暮らしています。だからこそ、飼い主さまの気持ちがよく分かるんです。
わんちゃんと暮らす方に宿の想いを届けるには、SNS運用を他社に任せるのではなく、日々の犬との暮らしの実感や、現場で実際に聞こえてきた声を、SNSと広告を通して自分たちの言葉で伝えたい。そう考え、自社運用を始めました。」
デザイン経験を活かし、投稿の企画から画像制作、広告運用までを一貫して手がける。
ターゲットは明確に「35歳以上の夫婦層」に絞り込みました。
訴求の軸は、愛犬家が旅先で感じやすい“壁”となる、次の2つ。
その課題に真正面から向き合い続けたことで、広く届けるのではなく、必要としている人に深く届く発信になっていきました。
その姿勢が、距離を越えて伝わっていったのです。

全国1800施設中・5位という評価。
ペット旅行専用メディア「休日いぬ部」にて、全国約1800施設の中から、上半期5位。
前年は9位。確実にステージを上げてきました。
日々の積み重ねが、客観的な評価として返ってきています。
“ワンちゃんを人扱いしてくれた”
以前は一般的な旅館だった場所で、大型犬も多頭飼いも、犬種制限なし。
スタッフにとっても、すべてが手探りのスタートでした。
ひとつ問題が起きたら、ひとつ考える。
どうすれば、もっと快適に過ごしてもらえるか。
そんな日々の中で、宿泊アンケートに増えていった言葉があります。
「ワンちゃんを人扱いしてくれた」。
食事会場で自然に出されるお水。
部屋にそっと置かれたメッセージカード。
館内はリード付きで自由に歩けて、おむつの強制もありません。
特別な演出ではなく、“家族として当たり前に接する”という姿勢。
それが「やっと普通に旅行できた」という声につながっています。
旅行は非日常。
でも、わんちゃんとの旅には“日常の延長”が必要。
その感覚が、宿の空気そのものになっていました。

美味しい時間も、遊ぶ時間も。静かに進化した2年間。
この2年半で、サービスも少しずつ進化していきました。
朝夕にはわんちゃん用の蒸した鶏むね肉を提供。
地元食材を使ったわんちゃん用ハンバーグも登場し、旅先でも“愛犬に特別な一皿”が用意されています。
屋内ドッグランは、今では人気のフォトスポット。
雨の日でも元気に走り回るわんちゃんの姿がSNSに投稿され、その一枚が、また新しいご縁を連れてきます。
リピーターも増え、日によっては宿泊客のほとんどが再訪ということも。
「また来ます」という言葉が、何よりの答えです。
それでも、まだ途中
「まだ知らない人はたくさんいる。ワンちゃんを飼っている人なら、誰でも知っている宿にしたい」。
“あそこなら間違いない”
そう言われる存在へ。
3年後、5年後には、確固たる犬宿ブランドとして確立したいと福留支配人は語ります。

最近では、浴衣姿でわんちゃんと海辺を歩く光景も、皆生温泉の日常になりました。
けれど福留支配人は、さらにその先を見ています。
「よく聞かれるのが、“お昼ご飯を一緒に食べられる場所はない?”という質問なんです」
宿の中は快適でも、一歩外に出ると、まだ選択肢は多くありません。
もし空き店舗がドッグカフェになったら。
もしお土産屋さんが、わんちゃん同伴OKになったら。
「松涛園があるから」だけでなく、
「皆生温泉に行けば、街全体で楽しめる」。
そんな場所になったら、きっともっと人は集まる。
「3年後、5年後には、もっとたくさんのわんちゃんの笑顔が街にあふれていたら嬉しいですね」
そう語る表情は、とても静かで、あたたかでした。

松涛園の決断は、ひとつの宿を変えただけでなく、
皆生温泉の風景そのものを少しずつ動かしています。
遠くからでも訪れたくなる理由。
また帰ってきたくなる居場所。
そして少しずつ広がっていく、皆生温泉の新しい日常。
まだ道の途中。
けれど確かに今、このまちには、わんちゃんの足音と人の笑顔が増えています。
| 住所 | 鳥取県米子市皆生温泉4-25-15 [MAP] |
|---|---|
| 電話番号 | 0859-22-3107 |
| 駐車場 | 40台 無料 予約不要 |
| 情報 | ホームページ Instagram |
皆生温泉のまちづくりを進める中で、私たちは日々「どうしたら、このまちの魅力がもっと伝わるだろう」と考えています。そんな想いから今回取り組んだのが、地元の中学生と一緒に行ったショート動画制作プロジェクトです。
これまで「見る側」だった中学生たちが、初めて「つくる側」になり、自分たちの視点で皆生を切り取る……。これは中学生とっても、私たちにとっても大きな挑戦でした。
台本を考え、撮影し、編集する。すべてが初めての経験に戸惑いながらも、一生懸命に取り組む姿は、大人にとっても新鮮で、たくさんの気づきを与えてくれました。
講師として寄り添ってくれたのは、鳥取県の魅力を発信する「りぃこちゃんねる」のクリエイター・りぃこさん。初めて動画を作る生徒たちと真正面から向き合い、技術だけでなく「伝える楽しさ」そのものを教えてくれました。
今回は、そんなりぃこさんに、講師として感じたこと、中学生への想い、そしてこれからの皆生温泉についてお話を伺いました。

技術よりも大切にした「距離感」
りぃこさんがまず意識したのは、教える前に“心を開いてもらうこと”でした。
「カチカチの先生じゃなくて、ちょっと明るくて話しかけやすい“お姉さん”みたいな存在でいたいと思っていました」
教室に入ると「りぃこ先生!」と声をかけてくれる中学生たち。その温かい空気感があったからこそ、分からないことも素直に聞ける環境が生まれたのです。
動画の教え方も、大人向けとはまったく違います。言葉をできるだけ噛み砕き、「誰に伝える動画なのか」を一緒に考える工程を大切にしました。
「中学生を“ターゲット”としてどう伝えるかを考える時間は、私自身にとっても大きな学びでした」とりぃこさんは振り返ります。
固定概念のない表現に、大人が学ばされる
完成した動画を見たときの第一印象は、「とにかく嬉しかった」というりぃこさん。
それぞれの作品から、“この子はこれを伝えたかったんだな”という想いがしっかりと伝わってきたと言います。
「大人と違って固定概念が少ない分、その子らしさがそのまま動画に出ていて。“そんな見せ方があるんだ”と、こちらが学ばされました」
制作中は限られた時間の中で悩み、試行錯誤の連続でしたが、最後までやり切ってくれました。
初めてとは思えないほど、それぞれの感性が光る作品が完成していました。

発信は、特別な人のものじゃない
りぃこさんが、中学生たちに一番伝えたかったこと。それは、「発信は特別な人だけのものではない」ということです。
「動画でも、写真でも、言葉でもいい。発信って、自分を表現するひとつの手段だと思うんです」
今回の制作を通して感じたのは、地域の魅力は“大人が教えるもの”ではなく、それぞれの視点から自然に生まれてくるということでした。固定概念の少ない中学生だからこそ見える景色があり、そのまっすぐな感性が動画の中に素直に表れていたのです。
初めての挑戦だったからこそ生まれた表現。その一つひとつが、皆生の新しい魅力になっていく……そんな可能性を感じさせてくれました。
中学生のみんなへ
りぃこさんから、中学生たちへのメッセージ。
「みんなの感性は、そのままで十分すごい。
発信は特別な人だけのものじゃなくて、自分を表現するひとつの手段です。
遊び感覚でもいいから、人や地域の魅力をこれからも少しずつ発信していってほしい」。
皆生の未来は「みんなの発信」で育っていく
「温泉があって、海があって、楽しい人たちがいて、長い歴史もある。
すでに魅力はたくさんあるんです。あとは、それをどう広げていくか」
誰か一人が頑張るのではなく、関わる人それぞれが、自分の目線で発信する。
その積み重ねが口コミとなり、やがて大きな流れになっていく。
若い感性がまちと出会い、発信という形で外へ広がっていく。
その可能性を、今回の取り組みは確かに示してくれました。
最後に。鳥取県でいま、一番「熱い」場所へ
「今の皆生は、正直”鳥取県でいちばん熱い地域”だと思っています」
インタビューの最後、りぃこさんはそう語ってくれました。
まちをもっと面白くしようと奮闘する大人たちの情熱。 そして今回、そこに加わった中学生たちの瑞々しい感性とエネルギーです。
世代を超えて混ざり合う「伝えたい」という想いが、今、皆生をどこよりも熱くしています。
変化し続ける皆生の“熱さ”を、ぜひ感じにお越しください!!

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中学生と一緒に「地域の魅力を発信する」ショート動画制作プロジェクト~動画をつくろう編~
心も体もHOTに。
皆生温泉で味わう、“あったか”な時間
日本海を望む海辺の温泉地、皆生温泉。
冬になると、このまちはいっそう表情を深めます。
冷たい空気の中で湯けむりが立ちのぼり、
温泉と食、そして人のぬくもりが、訪れる人を迎えてくれます。
今回のカイケプレス「あったか特集」では、
そんな冬の皆生温泉を存分に味わえる温泉宿や立ち寄り湯を中心に紹介しています。
海とつながる温泉体験
皆生温泉の大きな魅力のひとつは、
海と温泉が近いこと。
露天風呂から日本海を望み、
時間帯や天候によって移ろう景色を眺めながら湯に浸かる体験は、
この土地ならではの贅沢。
朝のやわらかな光、
夕暮れの茜色、
夜の静かな波音。
同じ湯でも、時間によってまったく違う表情を見せてくれます。
泊まる、味わう、くつろぐ
誌面では、
・滞在そのものを楽しめる温泉宿
・料理にこだわりのある宿
・日帰りでも立ち寄れる温泉施設
など、それぞれの個性を持つスポットを紹介。
旅の目的として泊まるのもいいし、
食事や入浴をきっかけに立ち寄るのもいい。
皆生温泉は「こうしなければならない」という型がなく、
その日の気分で過ごし方を選べるのが心地いい!
“あったか”は、温度だけじゃない
今回の特集で伝えたいのは、
温泉の温度だけではない“あったかさ”。
宿で迎えてくれる人の言葉、
食事の時間に交わされる会話、
何気なく見える風景。
それらすべてが重なって、
皆生温泉の居心地の良さがつくられています。
冬の皆生温泉へ
寒い季節だからこそ、
温泉に浸かる時間はより深く、より記憶に残る。
カイケプレス最新号では、
そんな冬の皆生温泉を楽しむヒントを、
写真とともにまとめています。
旅の計画を立てる前に。
ふらっと出かけるきっかけに。
ぜひ一冊手に取って、皆生温泉の“あったか”な時間を想像してみてください。

心も体もHOTに。
温泉に浸かり、あたたかい料理を味わい、まちを歩く。
そんな冬の楽しみがぎゅっと詰まったフリーペーパー
「カイケプレス」最新号が完成しました。
カイケプレスは、2か月に1度発行している
皆生温泉のまち歩きフリーペーパー。
観光情報だけでなく、地域で営まれているお店や人の存在、
そして“今の皆生温泉”を伝えることを大切に制作しています。
今号のテーマは「皆生温泉 あったか」
今回の特集は、寒い季節だからこそ楽しみたい
「皆生温泉 あったか」特集。
誌面では、
・寒い日に食べたくなるあったかグルメ
・ふらっと立ち寄れる温泉街のお店
・地元の人にも観光の人にもおすすめしたいスポット
・冬ならではのイベント情報
など、歩いて巡れる皆生温泉の魅力を
マップとともに紹介しています。
「今日はどこに行こう?」と目的を決めなくても、
この一冊があれば、自然と寄り道が生まれる。
そんな“ちょうどいい距離感”の情報が詰まっています。
食べて、温まって、また歩く。皆生温泉の日常
温泉街には、昔から続く宿や店と、
新しく挑戦を始めたお店が混ざり合い、
今も少しずつ表情を変えながら続いています。
カイケプレスでは、
「有名だから」ではなく
「このまちにあるからこそ紹介したい」
そんな視点でお店や場所を選んでいます。
観光の方にとっては新しい発見に。
地元の方にとっては、あらためて知るきっかけに。
この一冊が、皆生温泉を歩く理由になれば嬉しいです。

米子市出身で、子供の頃から本を読むのが好きだったという木村さん。人生の節目節目には、大事なことに気づかせてくれる本との出会いがあったと語ります。
好きになると同じジャンルの本を読み漁り、その知識を自分の人生に活かしてきた木村さんに、カイケノマドの本棚オーナーとして、本との向き合い方について話を伺いました。

今から23年前、23歳だった木村さんが出会った一冊の本、橘玲著「世界にひとつしかない『黄金人生設計』」。
「公的年金、公的保険、ローン、生命保険…学校では教えてくれなかったお金の知識が、ここにはすべて書いてあったんです。学校の勉強と違って、実生活に実際に生きる知識だったんですよね」。
それまで当たり前だと思っていたことが、実は「本当にそうなのか?」と疑問を持つべきことだと気づかされた衝撃。木村さんは語ります。
「それまでは情報をただ受けているだけでした。でもこの本をきっかけに、物事に対して『それって本当に正しいのかな』と考えるようになったんです。」
これが私の思考を変えてくれたきっかけでした。
「当たり前」を疑う大切さ。
この本が問いかけるのは、私たちが何も考えずに受け入れている「常識」への疑問です。
木村さんはこの本を通じて、「本質的に自分が欲しいと思って、本当に自分に対して価値のあるものにお金を出す」という考え方になったという。
特に印象的だったのは、日本の公的制度についての気づきです。
「日本には世界的にも充実した公的保険制度がある。そういった公的な保障を知った上で、自分に必要な保険を選ぶことが大切」。
健康保険で3割負担、高額医療費制度もある。それなのに、過剰な保険をかけているのではないか。そんな疑問を持つきっかけになったといいます。
若いうちに知ることの価値。
木村さんは、23歳という若い年代でお金の知識を得たことは本当に良かったと話します。
「定年間際や年金をもらう間近に知ったところで、何の改善ができるかといったら、改善できない。早くに知っていたら、何をどうするか考えられる」。
この本との出会いをきっかけに、木村さんはファイナンシャルプランナーの資格を取得。過剰にかけていた保険を見直し、その分を貯蓄と投資に回すなど、具体的な行動に移しました。
「知識を得ただけで何もしなかった人と、それを活用した人とでは、20年以上経った今、全く違う人生を歩んでいると思います」。
インタビューの中で、木村さんは現在の金融教育の課題についても語ってくれました。
「義務教育で年金のことをどの程度触れているのであろうか…。なぜ自分たちの年金のことを学ばないんでしょうか。知識がないから、保険の選択にしても、言われたままのことをやってしまう」。
木村さんの言葉には、自分で考え、判断する力の大切さが込められています。
木村さんの読書遍歴は、年代ごとに変化してきました。
「一度はまると、そのジャンルをダーッと読み漁るんです」と木村さんは笑います。

今、木村さんが夢中な本、ジャレド・ダイアモンド著『銃・病原菌・鉄』。
この本について、木村さんは目を輝かせながら語ってくれました。
「なぜスペインがたった数百人でインカ帝国を制圧できたのか。それは武力だけじゃなくて、病原菌が大きな要因だったんです」。
でも、話はそれだけでは終わりません。
「その背景をさかのぼると、農耕の発達、食料の安定供給があります。食料が安定すると、食料を生産しなくても生活できる人が出てくる。その人たちが学問や技術に人生を捧げて、文明が発達するんです」。
つまり、地域による文明の差は、その土地の環境によって生まれたもの。歴史を大きな視点で見ると、新しい発見がある。
「歴史を紐解く面白さがあります。こういう本に出会えるのが、読書の醍醐味ですね」。

司馬遼太郎作品は全部読みたい!
書籍の中で木村さんが愛してやまないのが、司馬遼太郎作品。
大阪の司馬遼太郎記念館を訪れた際のエピソードは、今でも印象的だといいます。
「司馬遼太郎さんは、新選組のことを書こうと思ったら、本をトラックで乗り付けて、根こそぎ買っていくんです。読み荒らして作品にする。その蔵書が6万冊、記念館にバーンと飾ってあって、圧巻でした」。
坂本龍馬が司馬遼太郎作品で有名になったことなど、木村さんは深い知識を持って色々と教えてくれます。
「死ぬまでに司馬遼太郎作品を全部読みたいですね」と、その思いを語ってくれました。
情報があふれる現代。YouTubeで要約動画を見れば、手軽に知識が手に入る時代です。
それでも木村さんは、本の持つ力を語ってくれました。
「今は情報を自分から取りに行く時代ですよね。でも、本は与えてくれるんです。取りに行くのではなく、与えられたものに対してどう考えるか。受け取り方を考える時間が取れるのが、本のいいところだと思います」。
要約動画は効率的かもしれない。でも、本を読むことで得られる「考える時間」「立ち止まって自分に問いかける時間」は、他のメディアでは代えがたいものだと。
本は、ただ情報を与えるのではなく、考えるきっかけをくれる。
それが木村さんの本への向き合い方です。

月に2〜3冊、時にはゲームに夢中で全く読まない時期もあるという木村さん。それでも、人生の節目節目で出会った本が、確実に人生を変えてきました。
カイケノマドの本棚には、そんな木村さんが選んだ、人生を変える可能性を秘めた本が並んでいます。
「本は、考えるきっかけをくれる。当たり前だと思っていることも、一回考えないといけない。そういう本との出会いが、カイケノマドにあるといいなと思います」

カイケノマドは皆生温泉エリアを拠点に、地域の魅力を発信する交流スペース。本棚オーナー制度を通じて、さまざまな人の「人生を変えた本」が集まる、知的好奇心を刺激する場所です。
海と温泉の街・皆生温泉に笑いを運んでいる人がいる。
タレントでお笑い芸人である、Uターンで地元に戻り、現在は「ラフラフ シーサイドカフェ」を運営する山田ちゃーはんさん。
子どもの頃は深く関わることの少なかった皆生温泉が、大人になって帰ってきた今、まったく違う景色で目に映っているという。
そんな山田ちゃーはんさんに皆生温泉のことについて色々と語っていただきました!
Uターンして久しぶりに皆生に戻ったとき、ちゃーはんさんの口から出た最初の言葉は
「なんか…いい街やん。」
これに尽きるらしい。
海はきれいで、人はあったかいし、温泉は街のど真ん中にある。
観光地なのに、生活のにおいがちゃんと残ってるのが皆生温泉の面白いところ。
浜辺では子どもが全力で遊んでて、若い子たちはベンチでチルしてて、旅館からは浴衣姿の人が湯上がりにふらっと散歩。
その全部がひとつの風景として成立してしまう“ゆるさ”がこの街の魅力。
あと…この街は“余白”がいい、と続けます。
「余白がある街って、アイデアが入りやすいんですよ。イベントもできるし、小さなお店も始められる。皆生温泉は、その余白がまち全体に広がってる」と。
その余白に、ちゃーはんさんの笑いと温もりが今の皆生温泉に置かれている気がします。

「みんなが皆生温泉を好きで、勝手に良くしたいって思ってるんですよね。その“勝手に”がちょうどいいんです。」
ちゃーはんさんは、こういう“ゆるい熱さ”が皆生温泉に関わる人の良さだと感じているそう。
それぞれが、それぞれのやり方で街を面白くしようとしていて、そこに無理がない。
肩肘張らずに混ざれる感じが、居心地の良さに繋がっています。
自身が運営する「ラフラフシーサイドカフェ」も、その延長線上にある場所。
店で人と出会って、たわいない会話の中で皆生温泉の魅力をぽろっと伝える。
大げさな仕掛けじゃなく、ふとした瞬間に“じわっと広がる温度”を大事にしているという。
気づけば、観光客も地元の人もふらっと立ち寄れる“交差点”みたいな存在。
ちゃーはんさん自身も、気張らずに街のPR役を担っていくれています。

ちゃーはんさんは今、皆生温泉が“鳥取県に来る最初の一歩”になれる未来を思い描いています。
「県外から来た人が、まず皆生温泉に立ち寄ってくれたら嬉しいですね。
『明日どこに行けばいい?』と聞かれたときに、胸を張って案内できますから。」
皆生温泉だけで旅を終えるのではなく、ここを起点にして鳥取、そして山陰全体を楽しんでもらえるようにしたいと考えています。
その想いには、この街だけでなく広い視野で地域を盛り上げたいという願いが込められています。
「山陰って、まだまだ知られていない魅力がたくさんあるんですよ。
地元だからこそ、自分の言葉でおすすめできる場所もいっぱいあります。
まず皆生で出会って、そこから“あそこも良いですよ”“ここも行ってみてください”って伝えられたら嬉しいんです。」
旅行者にとって皆生温泉が「最初に出会う案内人」になり、ちゃーはんさん自身もそのガイド役として、自然体のまま地域の魅力をそっと手渡していきたい。
そんな未来を描いています。

そのために、ちゃーはんさんが提案したのが「街全体でつくるPR動画」です。
「ひとり一人が好きな皆生を撮影して、それをつなげて一本の映像にしたいんです。」
撮る人が変われば視点も変わります。
海を映す人、夕暮れの温泉街を映す人、ふらっと立ち寄るカフェの時間を切り取る人。
その多様な角度が混ざり合うことで、“ありのままの皆生温泉”が浮かび上がってきます。
「一本の映画ではなく、みんなの日常をつなげた映像。
それがいちばん皆生らしいと思うんです。」
そんな風にちゃーはんさんは笑顔で語ります。
大げさな演出はいりません。
それぞれが日々見ている景色こそ、皆生温泉の魅力そのもの。
その連続でできるPRこそ、この街が持つ温かさと楽しさを一番やさしく伝えてくれる方法なのかもしれません。

ちゃーはんさんの話を聞いていると、突然とんでもなく面白いアイデアが飛び出してきます。
そのひとつがこれです。
「温泉街で運動会したらめっちゃ面白くないですか?」
旅館の人も、観光客も、地域の人も関係なくごちゃ混ぜで走り回る。
海辺で玉入れ、温泉街でリレー、四条通りで大縄跳びや綱引き。あとは、街全体を使った借り物競争とか!!
想像するだけでちょっと笑ってしまいます。
真面目にまちづくりを考えているのに、どこか遊び心があって、
ふざけているようでいて、ちゃんと“街の未来”を見ている。
そのバランス感覚が、皆生温泉をもっと面白い方向へ連れていくのだと感じます。

そのユーモア、どこから来るの?と気になって、発想の源について聞いてみると、ちゃーはんさんは少し照れながら話してくれました。
「角度を変えて物事を見るクセがあるんですよね。
普通じゃないほうに、面白さが隠れてると思っていて。」
その視点のクセには、しっかりとしたルーツがあります。
芸人として活動していた頃、強く影響を受けたのがダウンタウンさん。
「世の中の見え方を“ちょっとズラす”感じ。
あの視点の遊びみたいなものが、自分の中にずっと残っているんです。」
まちづくりを語る口調は真面目ですが、どこか軽やかで楽しそう。
ちゃーはんさんのアイデアは、“素直な好奇心”と“少し外側から眺める視点”から生まれているように感じられます。

ちゃーはんさんは、この「ズラした視点」や「面白がる気持ち」を次の世代にも繋げていきたいという。
「面白いと思う気持ちを、バトンみたいに次の人に渡せたらいいですよね。」
皆生温泉に集まる人たちが、それぞれの視点でこの街を遊び、楽しみ、発信していく。
ここには面白い人が自然と集まってきます。
その連鎖が続けば、未来はもっと面白くなるはずです。
海があって、温泉があって、ゆるく混ざり合う人たちがいる街。
そこにちゃーはんさんのような視点を持った人がいることで、皆生温泉はさらに新しい形へと進んでいきます。
この街の未来は、まだまだ面白くなりそうです。
私も、その変化を一緒に楽しんでいきます。
皆生温泉が、誰かにとっての“帰り道みたいな街”であり続けますように。
