KAIKE lab. established 2022 Enjoy yourselves!

interview

2023.03.14

Interview02-小西正剛さん/エリアデザインスクール1期生

皆生温泉に関わるさまざまな方へのインタビューコーナー。
今回は第一回皆生エリアデザインスクール受講生、米子市在住の小西さんにお話を伺いました。

デザインスクールに参加されたきっかけを教えて下さい。
自分が所属していた地域の青年経済団体の知り合いから紹介されたことがきっかけです。営に携わっていた市内ショッピングセンターの閉店後、仕事に限らず地域のまちづくりでなにか携わりたいと思っていました。そう言うと受け身な感じもしますが、もともと皆生の海が好きで、さらに、魅力的な温泉がある皆生温泉は米子の宝だと思っていました。そんな皆生を米子市が力を入れて変えようとしているという話はいろんな方面から聞いていて、参加したら面白そうだなっていう思いで参加しました。

ご出身は米子なんですか?
そうです。ただ、子どもの頃は、たまに親に連れられて温泉に行ったり、夏の海水浴っていうイメージで、子ども心には少し離れた場所というイメージでした。その後、高校卒業後に15年くらい米子を離れていて、都会地に住んだり、趣味の放浪の旅で日本全国や世界各地を周ったりしていたのですが、色んな街をみて感じたのは、街の近くに海もあって山もある、こんな場所なかなかないな、と。
あらためて街の側に海や山があるってすごいなって思うようになったんです。これは住んでいる人にとってすごく貴重だし、県外の人にも海や山があるだけではなくて温泉もあるという皆生の町がとても貴重で面白いなって。例えば街の側にビーチがあるなんてリオデジャネイロみたいですが、リオには温泉はないんです笑

皆生の見方が変わったんですね。
そうですね、今は皆生はふるさとの宝だと思っています。今3歳と6歳の子どもがいるんですけど、自分の子どもだけでなく、地域の子どもたちにも皆生の海で遊んでほしいという思いがあります。子どもの心のなかに海も山も故郷として残ってほしいと思って。世界中どこにいても、根っこにこんな故郷があるって幸せなことだと思うんです。なので、僕はなんにも無いときでもたまに子どもと海に遊びきて凧揚げしたり、公園のように使ったりします。なんか地元の人とかは使っているイメージがあまりなくて、せっかく砂浜が町の近くにあるのにもったいないって思ったりします。

そんな馴染みのある皆生のデザインスクールに参加されて、どうでしたか?
自分は松林の利活用のチームだったので、松林を舞台にイベントを企画しました。ただ実は…最初は松林にあまり興味なかったんです。

砂浜推しですもんね。笑
そうです。笑 砂浜でなにかしたいなって思っていたけど、たまたま空いているチームに入ったら松林のチームだったんです。でも、そこで初めて松林にどんなポテンシャルがあるかって考えてみて、そういえば松ぼっくりって自由に子どもが遊べるよねとか、 子どもを持つ親の視点で考えてみたら色々可能性があるなって気づいて。今まで意識していなかった皆生の新しい資産だと思いました。

松林の可能性っていうのは、どういうコトだと思われましたか?
そうですね。「遊び」と「癒やし」っていうのを最初に感じました。この2つの要素があることで子どもは遊んで大人は癒やされる空間だなと。この組み合わせが面白いと感じました。皆生の松林は私有地なんですけど、ドアを開けてはいる感じになっています。 入口が一箇所あってあとはフェンスで囲まれているので、親としては子どもから目を離しても道路に飛び出したりすることがないから安心できるんですよね。だから親としてはある程度は子どもを放っておけて松林の空間を楽しめるんです。松林の中って、森の中にいるような感覚になるので癒やされるんですよね。
デザインスクールの企画で音楽をする人を招いたんですけど、演奏する側も松林の中での演奏が気持ちよくて楽しかったと言っておられました。お客さんを楽しませるためとか、お金のために演奏するっていうよりは、ここで演奏するのが楽しいから出演するみたいな。出演する人も聞いている人も楽しいって みんなが幸せでいいなって。
もともと 松林には松で養う「松養(しょうよう)」という言葉があるって、地元 皆生の人から教えてもらったんですよね。だから松林でのこういうイベントはまさに松養だねって。歴史的にも癒やされる場所だったっていうのが繋がりました。

デザインスクールに参加した後、これからどのように皆生と関わりを持っていきたいと思われますか?
いくつかあるんですけど、一つは今回感じた松林の可能性を生かしたことができないかというのがあります。それからもう一つは今回のデザインスクールを受講した仲間がこれやってみたいとか、あれやってみたいって言っているのをサポートするような役割ができたらいいなって思います。自分自身はなにかビジネスみたいなことをしたいのではなくて、本当に自分の趣味みたいな感じで。今回のイベントを通して、参加者の皆さんがやりたいことをみんなで実現出来て、自分自身もすごく楽しかったので、これを次につなげていけないかな、と。イベント自体が目的になってしまうと集客がどうとか大変な部分もあるんですけど、理想的な(皆生の)将来像に向かっていくその過程としてイベントを捉えることで、それが将来像への一歩一歩になって、さらにその中で人間関係が広がっていってみたいな。それで関係人口が増えていったり、だれかのやってみたいという思いのきっかけになったり、そういうことにすごく意味があるんじゃないかなって思います。

これから皆生温泉がどんな町になってほしいですか?
皆生って「皆が生きる」って書くんですよね。みんながイキイキと輝く場所であってほしいと思います。例えば、今回企画したイベント参加者に障害をもった方もおられたんですが、その方が演奏する際にとてもイキイキと楽しそうにされていたのが印象的でした。
これから増えていく国内・海外の観光客の方が地元の文化に触れたり、皆生で暮らす子どもが海外の方と交流するなど、いろんな意味で壁を超えて多様な方々が関わり合ってイキイキするっていう、そしてもちろん皆生でお仕事をされる方がイキイキとおもてなしをされ、訪れた人がみんなイキイキと楽しい時間を過ごす。