[カイケを動かす人:vol8]伝統と文化を継承する「法勝寺焼 皆生窯」 3代目、安藤青磁さん
インタビュー: 皆生窯3代目、安藤青磁さん
皆生温泉にある、伝統と文化を継承する「法勝寺焼 皆生窯」。
今回は、3代目である安藤青磁さんに、皆生窯の始まりからこれからの思いについて作陶体験を通じながらインタビューをしてきました。
インタビュアー
まず初めに、皆生窯がどのように始まったのか、その歴史について教えていただけますか?
安藤青磁さん
法勝寺焼皆生窯(ほっしょうじやきかいけがま)は、昭和36年に法勝寺焼松花窯(しょうかがま) 二代目の安藤嘉章氏が皆生温泉の地に、松花窯の脇窯として登り窯を築いたのが始まりです。
当地に伝わる伝統的な法勝寺焼の技術を受け継ぎ、私は三代目として、その伝統や技術をさらに発展させるべく奮闘しています。
インタビュアー
法勝寺焼の手法はさまざまありますが従来との違いはありますか?
皆生窯ではどのような手法や焼成をされているのか教えてください。
安藤青磁さん
手法や焼成は従来と同様ではありますが、独自のアプローチを取り入れ、新しい技法を展開しました。
皆生窯の特徴的な点は、地元の素材へのこだわりです。皆生の砂や日野川河口の砂鉄を粘土や釉薬の中に取り入れ、これらの素材が焼成の過程で焼き上げられることで、作品に独自の風合いと特徴が生まれます。
インタビュアー
この土には、皆生の砂が混ざっているんですね!
それを知ると、作陶体験を通じて、なんだかこの作品に対する愛着がとても湧いてきます。
安藤青磁さん
作陶体験を通じて、皆生窯の世界に触れていただくことで、土や陶芸の魅力を感じていただければと思います。伝統と革新が共存する皆生窯は、私たちが大切にしている風土や文化の一翼を担っています。作品を通して、皆生温泉の美しい自然や歴史に触れ、地元ならではのアートの世界を共有できれば幸いです。
インタビュアー
安藤青磁さんは、小さい頃から陶芸に触れておられたのですか?
安藤青磁さん
はい、二代目である父の遊び程度の手伝いはしていました。
いつかは自分が受け継ぐだろう…と感じながら。
しかし、大人になるにつれて”ないものねだりのプレッシャー”もあり、一度は数年間ではありますが、サラリーマンをやってました。
今になれば、そのサラリーマン時代の経験が生きています。
インタビュアー
”ないものねだりのプレッシャー”…伝統を継承するという経験はありませんが、腑に落ちる言葉ですね。
自由と束縛って紙一重なのかもしれませんね。表裏一体というのか・・・。
安藤青磁さん
伝統を継承するという決断は大きなものでした。その中で自分が置かれた状況は、時には制約を感じることもありましたが、逆にその中で新たな可能性を見いだすこともできました。
インタビュアー
今では、伝統を守りながら「鳥取県伝統工芸士」として新しいことにも挑戦され、皆生窯の未来を切り拓いておられますね。
安藤青磁さんの陶芸への情熱と、伝統との葛藤、そして新たな可能性を見いだす過程が、成長とともに皆生窯に新しい息吹をもたらしていることが窺えます。
インタビュアー
最後に、これからの皆生窯の展望や目標について教えていただけますか?
安藤青磁さん
より多くの方に皆生窯を知っていただき、その魅力を共有していきたいと考えています。地元の素材や伝統を大切にしながらも、新しいアイデア取り入れ、陶芸の可能性を広げていくつもりです。また、若い世代にも興味を持ってもらえるようなイベントやワークショップを開催して、伝統文化の継承と発展に貢献していきたいと思っています。
インタビュアー
安藤青磁さんの手によって、皆生窯は伝統と新しさが交わり、美しい作品が生まれ続けています。
情熱と挑戦の姿勢は、陶芸の素晴らしさを伝えるだけでなく、地元の歴史や文化を次世代につなげていく礎となっています。これからも安藤青磁さんと皆生窯が、新たな可能性を模索し、陶芸の魅力を広めていくことに期待が膨らみます。
皆生窯では作品の購入も可能です。
ぜひ、お手に取って皆生窯の素晴らしさを感じてください!
住所 | 鳥取県米子市皆生温泉2-19-52 [MAP] |
---|---|
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 不定休 |
電話番号 | 0859-33-2826 |
https://www.instagram.com/seiji_ando_kaikegama/ |