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2023.12.16

連載コラム 「孫さん、ウェルビーイングって何ですか?」#1~#3をまとめました!

「孫さん、ウェルビーイングって何ですか?」

皆生温泉エリアで目指す「ウェルビーイング」。最近、いろんなところで耳にするこの言葉だけど、どんな意味なんだろう?「まち」「温泉」とどんな関係があるの?映画製作や即興劇、路上での健康相談など、様々な方法でウェルビーイングを高めるための活動を実践、研究する孫大輔さんに「ウェルビーイング」について連載していただいています。

今回は、連載#1~#3をまとめてみました。

オリジナル記事のリンクも貼っていますので、詳しく知りたい方はクリックしてくださいね!

#1ウェルビーイングってなんだ?

ウェルビーイングは、健康や幸福といった概念を包括する新しい概念で、社会福祉や医療、心理学などで注目されています。この概念は、単なる健康や幸福ではなく、セリグマン博士によれば、「ポジージメント」、「良好な関係性」、「意味・意義」、「達成」の5つの要素から成り立つ構成概念であり、持続的な幸福と深い関係があるとされています。

幸福は個人によって異なり、ウェルビーイングにおいては「意味」が重要です。たとえば、障害を持つことで人生に深い意味を見出し、新たな挑戦が可能になる場合、その人のウェルビーイングは向上していると言えます。アリストテレスの「エウダイモニア」も、単なる快楽ではなく、心の中の神に従い良く生き、良く行為することを通じて得られる真の幸福を指しています。

ウェルビーイングを理解する上で、個々の価値観や意味の追求が重要であり、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に描かれた「ほんとうの幸い」の探求も、本質的にはウェルビーイングに通じているのかもしれません。

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連載コラム「孫さん、ウェルビーイングって何ですか?」#1ウェルビーイングってなんだ?

#2地域全体のウェルビーイングを考える

個人のウェルビーイングには、快楽と幸福の要素があります。地域全体のウェルビーイングも同様に、快楽的な要素と幸福的な要素に分けて考えられます。研究によれば、快楽的なウェルビーイングは余暇や人間関係の質と関連し、幸福的なウェルビーイングは仕事の充実度や就職の有無と関連しています。地域のウェルビーイングは、住民同士のつながりや仕事の充実度などが影響を与えるとされています。

都道府県別の比較では、沖縄県と奈良県が高いウェルビーイングを示し、「寛容性」がその特徴とされています。寛容性が高い地域では、他者の多様な生き方に対して寛容であり、他者に対する評価が人物本位であることが挙げられています。例えば、徳島県旧海部町では、「ゆるいつながり」が自殺率の低さと関連しており、挨拶程度の隣近所の付き合いでありながら、必要な時には援助が行われるという特徴があります。

これらの研究から、「ウェルビーイングな地域」を構築する際には、「寛容性」や「ゆるいつながり」、「ほどよいおせっかい」を軸に考えていくと良いのかもしれません。

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連載コラム「孫さん、ウェルビーイングって何ですか?」#2地域全体のウェルビーイングを考える

#3地域全体のウェルビーイングを考える。「銭湯」が地域のウェルビーイングに果たす役割

かつての下町エリア「谷根千」では、銭湯が地域の「ゆるいつながり」の象徴であり、その銭湯がなくなると地元住民の生活に大きな影響があるというのです。銭湯は1960〜70年代には100軒以上存在し、家庭に風呂がない時代には、地域の人々が集まり交流やコミュニケーションが生まれていました。

銭湯に長く通う地元の女性たちのインタビューによれば、銭湯では「背中の流し合いコミュニケーション」があり、新規の来客に声をかけて世間話が広がる機会となっていました。これはまさに「裸の付き合い」であり、地域の人々が自然な形で繋がる場でした。さらに、銭湯では多世代交流や親子支援も行われ、若い母親が子供と一緒に来ると、常連の女性たちが子供の面倒を見つつ、母親にくつろぎの時間を提供するなど、地域社会のサポートの場ともなっていました。

このような場は「サードプレイス」として知られ、地域の人々が気軽に集まり、様々な形で繋がることができる場所です。それはまるで町のカフェが提供する空間であり、地域住民がゆるく交流でき、ウェルビーイングを高める考えられます。

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連載コラム「孫さん、ウェルビーイングって何ですか?」#3地域全体のウェルビーイングを考える