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2024.05.23

皆生温泉街の礎を築いた設計図、米子市文化財に指定

皆生温泉の未来を形作った設計図、米子市の有形文化財に指定

大正時代に描かれた「皆生温泉市街地設計図」が、皆生温泉街の成り立ちを示す貴重な資料として、米子市の有形文化財に指定されました。この設計図は、日本の公園整備の第一人者である折下吉延氏によって作成され、現在の温泉街の基盤となりました。

このように重要な設計図が、米子市の有形文化財に指定されたことにより、適切に保存され、後世に伝えられることになります。皆生温泉の歴史を語る上で欠かせない資料として、大切に守られていくことでしょう。

こちら(上の画像)が、有形文化財に指定された「皆生温泉市街地設計図」。

これは、明治時代に発見された皆生温泉を単なる温泉地ではなく、近代的な都市計画に基づいて開発しようとした当時の構想を記した貴重な資料です。

60m方眼の街区や米子駅と皆生温泉を結ぶ米子電車軌道など、その後の温泉街の発展に大きく貢献した要素が盛り込まれています。

四角い街区と路面電車、未来への青写真

この設計図は、縦76.1センチ、横90.5センチの紙に1200分の1の縮尺で描かれており、皆生温泉の将来像を鮮やかに描き出しています。茶色で示された旅館の配置や、かつて実際に運行していた路面電車の線路など、当時の開発意図を克明に読み取ることができます。

『街区と道路』

四角い街区や米子駅から引かれた鉄道路線など、当時の温泉街の様子が詳細に記されています。現在の地図と見比べると、当時の計画がいかに忠実に実行されているかが分かります。

『旅館と公園』

茶色で示された旅館の配置や、公園の位置なども記されています。これらの計画は現在の温泉街の姿と見事に一致しています。

『路面電車』

かつて実際に運行していた路面電車の線路も描かれており、当時の交通網の様子がうかがえます。

松原の海岸からモダンな温泉街へ…100年前の夢が現代の温泉街を形作る

この設計図は、大正10年に、日本の公園整備の先駆者として知られる折下吉延氏によって作成されました。折下氏は、公園整備の第一人者として、皆生温泉の開発にも大きく貢献しました。

100年余り前、松原が広がる海岸だった皆生温泉は、大正9年から本格的な開発が始まりました。この設計図は、その基盤となる構想図として活用され、現在も旅館街の区画は、設計図に描かれた60メートル四方の形を残しています。
また、旅館街の区画、道路網、公園、海岸線の整備計画などが詳細に記されており、現在の温泉街の姿と見事に一致しています。

有本氏・折下氏の構想は全て実現したわけではありませんが、その後の温泉街の骨格を形成する上で重要な役割を果たし、温泉街の基盤を築いた設計図として、まさに100年前の夢を実現した証と言えるのではないでしょうか。

未来へ繋がる架け橋

温泉街の基盤を築いたこの設計図は、過去と現在を繋ぐだけでなく、未来への架け橋でもあります。先人の知恵と情熱を受け継ぎながら、温泉街の更なる発展が期待されています。伝統と革新のバランスを保ちつつ、新しい魅力が生み出されていくことでしょう。

皆生温泉は、大正時代の設計図に基づいて整備された温泉街です。その歴史的価値は計り知れません。設計図の保存と活用により、温泉街の歴史を後世に伝えることで繋げていきたいと思います。