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2023.10.10

2023.8.4(金)ぺちゃくちゃかいけ公開収録- これからどうする?皆生-の内容をまとめました!!

ぺちゃくちゃかいけ公開収録- これからどうする?皆生-

公共空間や、使用頻度の低いもったいないスペースなどを、有効活用する活動が活発化する皆生温泉。次のステップとして、皆生温泉エリア全体の居心地の良い空間整備についてのあり方の議論をスタートするため、キックオフミーティングを開催しました。

パネラー
・服部 彰治 氏 札幌大通まちづくり株式会社 取締役事業部長
・伊坂 明  氏 皆生温泉エリア経営実行委員会 会長(株式会社皆生グランドホテル 代表取締役)
・坂内 和孝 氏 皆生温泉エリア経営実行委員会 副会長(皆生温泉観光株式会社代表取締役)
・上保 裕典 氏 株式会社中海テレビ放送Chukaiトライセクター・ラボ ラボ長
・永井 高幸 氏 かいけラボ共同事業体 代表(株式会社エートス 代表取締役)
・伊木 隆司 氏 米子市長
・山下 裕子 氏 まちなか広場研究所 主宰

 

キックオフミーティングは公開収録スタイルで進行され、皆生温泉エリアの居心地の良い空間整備についてなど議論が始まりました。パネラーたちはそれぞれの専門分野や経験を活かし、具体的なアイデアや提案を交えながら、皆生温泉の活性化と魅力向上に向けての方策を検討しました。

服部氏は、札幌大通まちづくり株式会社の取締役事業部長として、地域づくりの成功事例を共有し、皆生温泉エリアの活性化に向けた手法を提案。伊坂氏や坂内氏は、皆生温泉エリア経営実行委員会の会長と副会長として、地域の観光資源を最大限に活用する戦略について意見を交わしました。

上保氏は株式会社中海テレビ放送Chukaiトライセクター・ラボのラボ長として、資源を活用した新たな観光プロモーション手法についての意見を述べました。

永井氏は、かいけラボ共同事業体の代表として、持続可能な地域づくりに向けたプロジェクトを紹介し、環境と共生するコンセプトを示しました。

伊木隆司氏は米子市長として、地域と行政が連携し、観光振興に向けて取り組んでいく姿勢を示しました。市の支援と連携によって、皆生温泉がより魅力的な観光地となることを期待しました。

司会進行役でもある山下裕子氏はまちなか広場研究所の主宰として、居心地の良い公共スペースの重要性や、地域住民の声を反映したまちづくりについて語りました。

この公開収録は、皆生温泉の未来に向けた有意義な議論のスタートとなり、地域の発展と魅力向上に向けた具体的なアクションが期待されるものとなりました。

皆生温泉エリア経営実行委員会が取り組んできた取り組みについてご紹介:伊坂 明  氏 皆生温泉エリア経営実行委員会  会長(株式会社皆生グランドホテル 代表取締役)

皆生温泉エリアは、大山から境港に広がる弓ヶ浜半島に位置しており、美保湾の経済圏の中心にほぼ位置しています。エリア経営実行委員会は大きく3つのテーマに焦点を当て、地域の活性化を図っています。

1. Tラインの核化活性化
皆生温泉の観光センターを起点にしたTラインの活性化を図るため、毎月第1水曜日にスイッチ広場として催しを開催しています。このイベントでは、地元の若手事業者を含む多くの方々が集まり、意見交換やマッチングが行われ、地域の活性化につながる取り組みが行われています。また、人気の「ぐるぐるかいけ」も定期的に開催し、皆生温泉の魅力を広く発信しています。

2. 受け入れ環境整備
皆生温泉を訪れる方々に快適な滞在を提供するため、有料駐車場の整備に取り組んでいます。akiipaという仕組みを活用し、130台分の有料駐車場を確保しました。また、海岸遊歩道のリニューアルや建物と町の境界を取り払うなど、居心地の良い空間整備にも力を入れています。

3. 人材育成、関わり指導の拡大
地域の情報発信を強化するために「KAIKE PRESS」という情報誌を毎月発行し、地元の方々や訪れる観光客に情報を提供しています。また、皆生エリアデザインスクールを通じて、まちづくりに関心を持つ方々を育成し、実践的なイベントを開催しています。ソフトの取り組みが活発化する中で、さらなる整備を行い、居心地の良い空間を実現することを目指しています。

【要点】
皆生温泉エリアは美保湾の中心に位置し、エリア経営実行委員会は3つのテーマに注力して地域の活性化を進めています。Tラインの核化活性化では、スイッチ広場でのイベントや「ぐるぐるかいけ」を通じて地域の交流とアイデアの共有が行われ、地域魅力を広く発信。受け入れ環境整備では有料駐車場や海岸遊歩道の整備が行われ、滞在の快適性向上に取り組まれています。人材育成・関わり指導の拡大では情報誌「KAIKE PRESS」やエリアデザインスクールを通じて情報発信と地域への参加を促進し、居心地の良い空間実現を目指しています。

 

「皆生温泉市街地設計図を読む」:坂内 和孝 氏 皆生温泉エリア経営実行委員会 副会長(皆生温泉観光株式会社 代表取締役)

1.有本松太郎による皆生温泉の創設

  • 有本松太郎氏が皆生温泉の創設を決意した際の「皆生温泉都市計画設計図」が紹介されました。
  • この図面は、まだ何もない地域に温泉を築こうという有本氏の温泉郷構想を実現するためのもので、大正10年に作成されました。
  • この図面を作成したのは欧米で庭園を視察し、大山の国立公園の整備のために来られていた内務省 折下 吉延(おりしも よしのぶ)でした。

2.皆生温泉街の整備

有本氏は、

  • 温泉を安全地帯に開発するとともに、その集中配湯
  • 広大な都市計画のための、一帯の土地買収と温泉都市の構築
  • 当時、町であった米子市街からの交通計画

その実現のため、大正10年5月28日 皆生温泉土地株式会社(現 皆生温泉観光株式会社)が設立されました。

3.温泉とその歴史

  • 皆生温泉は、明治初年に海中で発見されました。その後、日野川の上流でたたらによる鉱山開発が行われ、その土砂が日野川に流れ込み皆生の海外に堆積していき、海岸線が陸地になる過程で温泉が湧き出ていました。
  • しかし、大正末から昭和にかけて、安価な外国産鉄が輸入され、ついに鉱山は閉鎖されてしまいました。そして暴風雨の度に波浪浸食があり泉源機械室に大きな被害が出て苦しい時期が続きました。

4.地域の努力と挑戦

  • 昭和9年10月15日 皆生温泉土地株式会社の事業は、坂内義雄に継承されます。しかし、海岸浸食との戦いが約50年にわたり続くのでした。
  • 昭和46年から建設省によって海岸整備が行われ、テトラポットが設置されることで、昭和53年に海水浴場が復活しました。

5.現在の皆生温泉と未来への提案

  • 皆生温泉はその歴史を背景に現在に至ります。
  • 坂内氏は、100年以上の歴史を持つ皆生温泉の地元の思いや努力を理解し、その歴史の中で根付いた温泉地としての魅力を再確認する必要があると提案しました。
  • 地元の人々と協力し、皆生温泉の未来を考え、原点に立ち返ることの重要性を強調しました。

 

【要点】
有本氏の情熱的な温泉郷の思いが、皆生温泉の創設に繋がりました。その初期の図面が、未開発の土地に温泉を築くという彼の願望を具現化する起点となりました。大正年間に作成された図面は、折下氏の欧米での庭園視察や大山の国立公園整備の経験から着想を得ており、皆生温泉の基盤を形作る重要な要素となりました。図面を通じて大正10年3月に始まったこのプロジェクトは、皆生温泉街の整備に発展し、道路や区割りの整備によって、60メートル近い区画の整然とした街が築かれました。そして、皆生温泉は歴史を背景に持つ地域の努力と挑戦を経て、現在の姿に至りました。坂内氏が提案するように、これからも地元の協力と共に、皆生温泉の原点に立ち返り、未来を切り拓いていくことが求められています。

 

札幌大通まちづくり株式会社で活動されている内容についてご紹介:服部 彰治 氏 札幌大通まちづくり株式会社 取締役事業部長

  1. 商店街連携: 大通地区には6つの商店街があり、これらをまとめて活性化する取り組みを行っています。商店街のメンバーは、それぞれに異なる特性を持ちながらも、共通の課題を共有し、連携を強化しています。
  2. エリアマネジメントの推進: エリアマネジメントの概念を導入し、地域の課題やニーズを把握しながら、大通地区の活性化を進めています。商店街ごとに異なる取り組みを行いながら、一体感を持ったまちづくりを推進しています。
  3. 公共空間の活用: 駅前通など公共空間を活用したイベントやプロジェクトを展開しています。市民のニーズに合わせたテーブルや休憩スペースの提供、道路上に駐輪している自転車の整序など、公共空間をより快適な場所にするための取り組みが行われています。
  4. 持続可能な取り組み: 環境への配慮も重視されており、ゴミ拾い活動や環境に配慮したプロジェクトの実施が行われています。また、自転車の利用マナー、ルールの啓発など、持続可能なまちづくりにも力を入れています。
  5. コミュニティの連携: 商業施設やビルのオーナー、テナント、地域住民との連携を強化し、地域全体での取り組みを推進しています。共通で使える駐車券など、メリットをもたらす仕組みを構築しています。
  6. 新たなビジョンの提案: 大通地区の将来像を描いたビジョンを策定し、市の計画にも反映されています。市の発展に合わせて、公共施設や交通インフラ、環境整備など、多岐にわたる要素を考慮しながらまちづくりを進めています。

【要点】
商店街と地域の緊密な連携を通じて、札幌市の都心部ではその魅力を最大限に引き出し、持続可能な発展への道を歩んでいます。異なる商店街が一体となり、共通の課題に立ち向かいながらも個々の特性を尊重したまちづくりが進められています。エリアマネジメントの理念を取り入れ、地域の声を大切にしながら、公共空間や持続可能な取り組みを通じて快適で魅力的な環境を創造しています。商業施設や地域住民との緊密な連携を通じて、地域で描いたビジョンが市の計画にも反映されています。

セッション:発表内容やシフトチェンジについて

<上保 裕典 氏 株式会社中海テレビ放送Chukaiトライセクター・ラボ ラボ長>

地域の特性を生かして観光を産業にし、交流と多様性が大切であると認識できた。まちづくりの視点から、地域を運営する「まちづくり会社」のようなアプローチの紹介や様々な取り組みが提案されており、駐車場事業なども考慮され、皆生温泉エリアの課題と今後の展開の参考になった。
これからも新たなアイデアを出しながら、地域の発展を考える必要があると感じている。老朽化や安全性、コストなどを考慮しながら、バランスよく取り組んでいくことが重要。話し合いを通じて、改めて将来への展望を考え、今後の取り組みを進めていく意向が示された。今日の話を通じて、地域の成長を支える意欲へと繋がった。

 

<坂内 和孝 氏 皆生温泉エリア経営実行委員会 副会長(皆生温泉観光株式会社代表取締役)>

取組を行ってからの2年間があっという間に過ぎた。さまざまな意見をいただきながら、多くの取り組みや実際の課題に取り組んできた。本当の原点は、こんなにも素晴らしい場所があること。海や砂浜、温泉があり、市街地からすぐにアクセスできる便利な温泉地である。地元に愛される温泉地として根付いている。
これを機に、皆生温泉エリアの未来に向けてどう取り組んでいくかが大切。素晴らしい場所であることは確か。地元の方々にその魅力をもう一度伝える必要がある。そのためには、地元の方々に来ていただくための取り組みが求められる。第1水曜日には「スイッチ広場」というイベントを開催しており、夕方5時から集まっている。これを通じて、自治体の取り組みやイベントを地元の方々と共に考える機会が持てる。皆で協力しながら、地域の魅力を再認識し、未来に向けて取り組んでいく道を進んでいくことが大切だと感じている。

 

<伊坂 明  氏 皆生温泉エリア経営実行委員会  会長(株式会社皆生グランドホテル 代表取締役)>

2年前の8月に始まった取り組みが、今では丸2年が経過。驚くべき速さで様々な変化が起きている。紹介した「ぐるぐるかいけ」の取り組みもその一環。特に注目すべきは、この2年間での変化。以前は皆生温泉においてカラオケスナックやラーメン屋といった店舗はあったものの、その他のお店はほとんど存在しない状態だった。しかし、今では多くの新しいお店が出店し、照明の改善も含めて歩きやすさが向上している。
これからもさらに多くの人々に皆生温泉の魅力を知ってもらい、新たなお店の出店や様々なイベント、行政との協力などを通じて地域を盛り上げていくことを目指す。

 

<伊木 隆司 氏 米子市長>

皆様からのお話を通じて、市長としての7年間の変化を振り返った。元々、皆生温泉地内に会計事務所を持っており、地域に深いつながりがあった。以前は外部からのアドバイスはあったものの、実現が難しく、その背後には実行するプラットフォームが欠けていたと考えている。
市長になった後、最初に行ったことは、勉強会の立ち上げ。伊坂さんや坂内さん、地域の若手旅館経営者などが集まり、共通のビジョンを作成。このビジョンが今のエリア経営実行委員会に繋がった。実際の実行部隊を組織し、提案を受け入れて実現に向けて進めていくプロセスが、皆生温泉の取り組みを加速させる大きな理由。
現在の段階では、次のステップとして、エリア経営実行委員会を法人化することが課題。独立し、自立して行動するための措置を取ることが必要と考えている。先ほどの服部さんの経験やマネタイズのアイデアが、非常に参考になった。
また、今後の課題として、休憩できる場所の不足が挙げられる。観光地としての魅力を高めるために、海岸通りや所有する松林、海浜公園など、滞在やゆったりとした時間を過ごせる場所を増やすことが大切。これが、訪れる人々のリピーターとしての体験を深化させ、地域の魅力をさらに高める鍵となる。

 

<永井 高幸 氏 かいけラボ共同事業体 代表(株式会社エートス 代表取締役)>

今年度から、エリア経営実行委員会の活動が本格化し、情報発信やスクール事業など様々な取り組みが、多様なメンバーで共同で実施されるようになった。その前から私自身も、マリンアスレチックやカイケジャンボリーなどの事業に関わっており、皆生温泉地域の活性化や利活用に取り組んでいた。
この関わりの背景には、約5年前に、海の活用に興味を持ち、境港市での取り組みを試みたものの実現が難しく、米子市観光協会から声がかかり関わることとなった。
今回の取り組みでは、市長のお話でもあったように、休憩場所の不足が課題として浮き彫りになった。その他にも、暑い日中にもかかわらず日陰が少ないことや、訪れた人々がゆったりとくつろげる場所の不足などを感じた。これらの課題を解決し、地域の魅力をより高めていくために、今後もさらなる取り組みが必要。

 

皆生温泉エリアの中長期ビジョンに向けた議論が展開

<山下 裕子 氏 まちなか広場研究所 主宰>

本日のスピーカーにおいて、ビジョンの重要性が浮き彫りにされました。統一感を持ちながらも個性を尊重し、地域の魅力を引き出すためには、共通のビジョンが不可欠です。地域の特性を尊重しつつ、持続的な発展を追求するためには、100年前の皆生温泉設計図を着想源として、新たなビジョンを描くことが重要です。
エリア経営実行委員会として、中長期のスケジュール案を策定しました。このスケジュールは2030年までの展望を示しており、エリアの顔を作るためには具体的なビジョンが不可欠です。今回の会議で皆様からいただいたご意見を元に、エリアビジョンの検討を始めるキックオフとして、見解をお示しください。

 

以下、見解について

<上保 裕典 氏 株式会社中海テレビ放送Chukaiトライセクター・ラボ ラボ長>

地域全体で共通のビジョンを持ちながらも、個性を大切にする統一感の確立が強調されました。景観や地域の特徴を守りつつ、一貫性のある顔を作り出すことが目指されています。

地域内で進むソフト(文化やコミュニケーション)とハード(建物や施設)の両面の取り組みが注目されています。景観の改善や歩行者環境の整備など、ソフトとハードの連携によって、エリアの魅力と居心地を向上させることが狙いです。

地域の活動は、手間ひまをかけて価値を創造することが大切とされています。ビジョンに基づいた取り組みは、経済的な成果をもたらし、地域の持続的な成長を支えるマネタイズに繋がると期待されています。

さらに、WEDO(ウォーカブル、アイレベル、ダイバーシティ、オープン)などの取り組みが、地域内で受け入れられる可能性があります。多様性を尊重し、誰もが参加しやすい環境づくりを目指すことが目標です。

 

<坂内 和孝 氏 皆生温泉エリア経営実行委員会 副会長(皆生温泉観光株式会社代表取締役)>

本日の最重要テーマは、居心地の良い空間整備の推進です。この取り組みは、地元の皆さんや市民の方々のために行われるものであり、そのためのきっかけを私たちが提供しています。私たちは様々な話し合いを進めていますが、最終的な目標は、市民の皆さん1人1人の意見を収集し、みんなが参加できるような居心地のいい空間を整備することです。

皆生温泉は、私たち皆のために存在するものであるとの信念を持っています。安心して歩ける場所、いつでも気軽に行ける温泉街を目指し、皆さんの声を反映した取り組みを進めていきたいと考えています。この願いを胸に、皆生温泉の未来をより魅力的で、地域の方々にとって特別な場所として築いていけるよう努力してまいります。

 

<伊坂 明  氏 皆生温泉エリア経営実行委員会  会長(株式会社皆生グランドホテル 代表取締役)>

述べられた通り、今後の取り組みはソフト事業とハード事業の組み合わせが重要です。スケジュールにも反映されているように、設備投資など多様な要素を考慮しています。これには民間と行政の連携が不可欠であり、それぞれの役割と貢献が求められます。終わりの目標が2030年に設定されていますが、この取り組みは永続的なものであり、時代に合わせたハードウェアとソフトウェアの整備が必要とされています。地域の成長と魅力を維持するために、民間と行政が協力して進んでいくことが求められています。
温泉供給管の老朽化や水道・下水道の課題が挙げられます。これらの問題に対して、市としては工事を一本化することで、民間と行政の資源を有効活用し、効率的な改善を図ることができるのではと考えます。また、弓ヶ浜半島と美保湾のアクセスについても言及し、陸路の利用に加えて、船の利用を促進するために国の事業で桟橋を整備するアイデアも提案されました。

 

<伊木 隆司 氏 米子市長>

地域の魅力をより引き立て、訪れる人々に特別な思い出を提供する場所の創出が提案されました。このアイデアには、伊坂さんの提案した桟橋も含まれています。皆生温泉を訪れた人たちが、「ここに来たぞ」と感じるスポットを作ることが必要だと考えます。この場所は、写真を撮りたくなるような風景やオブジェなど訪れた人々が特別な体験を得られる場になることが重要です。公共の海岸エリアは国土交通省の管理下にありますが、地域の提案を通じてお洒落で印象的な桟橋を作るアイデアが進められたらと思います。こうした公共工事は単なる施設だけでなく、心に残る風景や思い出を作り上げるものとして、地域の魅力を高める重要な要素とされています。

<永井 高幸 氏 かいけラボ共同事業体 代表(株式会社エートス 代表取締役)>
私がお聞きしたいのは、地域の顔づくりについてです。スケジュールを見ていると、2030年を超えてもこの取り組みは続いていくものと考えられます。その過程で形も変わっていくでしょう。最初に話題に上がったビジョンを作り上げる過程で、我々が生きている今、何を大切にしたいかを考えると、我々の幸せや未来の世代に残すべき価値が浮かび上がります。子どもたちや孫たちにどんなものを残してあげたいか、その考えこそが本当のビジョンだと思います。だからこそ、そのビジョンを確立するために、ハードの整備をしっかり考えていく必要があります。ハードの整備は、長期的な視点で見ると、何十年、あるいは100年後にも残るものです。そのためにも、これから先の世代に向けてしっかりと考え抜き、整備していく姿勢が求められます。

 

 

これらの要点を踏まえ、皆生温泉エリアでは、中長期のスケジュールを進めながら、地域の発展と魅力の向上を図っていく予定です。さらに多くの関係者や地域住民の協力を得て、持続的な成長が期待されています。

公開収録のスタイルは、関係者だけでなく、たくさんの方と直接、情報を共有し、地域の発展に向けた新たな展望を生み出す刺激となりました。議論の内容や提案は今後の計画に反映され、皆生温泉エリアの魅力を高めるための具体的な施策へとつながっていくことを願っています。